2.2 地域防災計画の問題点 2.1 のアンケート調査結果にみられるように、地震災害時に災害対策本部を設置して対応した市町村の多くは具体的かつ実践的な方向へ地域防災計画を改善するべきであると考えている。また、1995年1月の阪神・淡路大震災では、「地域防災計画が役に立たなかった」とする指摘が各方面から出され、それを契機に全国的な見直しが始まっている。 これらの例からもわかるように、現在、地域防災計画が抱える基本的問題は、「実践的なものになっていない」、あるいは、「実践的でない部分がある」ことである。 それでは、具体的にどのような点が「実践的でない」のであろうか。 以下では、現在の地域防災計画の一般的な構成である、「総則」、「災害予防計画」、「災害応急対策計画」、「災害復1日計画」別にこの問題をみてゆくことにする。なお、これらの計画の記載内容や活用時期については、表13に示すような特徴がある。 表13地域防災計画を構成する計画の特徴
2.2.1総則における問題点 総則における主要問題点は以下のとおりである。 問題点1:防災面からみた地域の自然的・社会的条件が具体的に記述されていない 問題点2:想定される被害程度が示されていない 問題点3:防災ビジョンが示されていない (1)問題点1:防災面からみた地域の自然的・社会的条件が具体的に言己述されていない 当該地域が防災面からみて潜在的にどのような条件を有した地域であるかを明らかにすることは、防災対策を考えるときの大前提である。この点の記述がない計画、あ
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